1.1 アンビエントコンピューティングとは人の手に関わらず,機械が自動的に人間の行動を予測,認知を行い自動的にシステムを動かす仕組みである.現代では,情報通信技術が発達し遠隔操作やオンラインが増える中,長時間のデスクワークによる精神的・身体的疲労が問題視されている.また,デスクワークのみだけでなく同じ行動を長時間行うこと (運転など)は精神的・身体的に負担がかかることが研究されている. 1.2 ArduinoとRaspberry Piと多種多様なセンサを使用した小型化のウェアラブル装置を装着しコーピング指示を視覚と聴覚の2点から伝達することによりコーピング指示の正確性の向上,コーピング指示の見逃しを防止する.また,ウェアラブル装置のストレス測定とは別にストレスチェックシートに回答を行ってもらい中長期的にストレスがかかっている人は小型ウェアラブル装置で測定した際もストレスが上昇しやすいことを示すことを目的とする. 2.1 小型のウェアラブル装置には,様々なセンサを用いる.環境センサと生体センサにそれぞれのセンサを分類し,それぞれのセンサの値をウェアラブル装置上で収集してクラウドサーバにデータを送信し,ライフログデータを作成する. 図6と使用するセンサの説明 2.2 コーピングの種類は大きく分けて3つ存在し,問題焦点型コーピング,情動焦点型コーピング,ストレス解消型コーピングの3種類である.本研究で使用するコーピング手法は,問題焦点型コーピングである.この手法は,ストレスの原因となっているものを根本的に取り除き,自身の努力や周囲の協力によって解決や対策に取り組む. 2.3 心拍変動時系列データからパワースペクトル密度を推定する手法として,連続ウェーブレット変換 (CWT)を適用する.2つの手法パワースペクトル密度水手を行いストレス値を比較すると連続ウェーブレット変換の方が時間領域を考慮しているため,ストレス値のばらつきをより大きく表現できた(図9).ガボールウェーブレットの説明 3.1 ストレスチェックは,2015年12月1日より「労働安全衛生法」が改正され,労働者が50人以上いる事業場では毎年最低1回「ストレスチェック」を全ての働く人に対して実施することが義務づけられた.ストレスチェックをしたうえで結果により高ストレス者と判断された場合には,医師からの面接指導を受けたりすることが可能である. 図10の説明 3.2 ストレスチェックシートは,2021年富山県立大学の教職員に対して行われた公立学校共済組合-心のセルフチェックシステムの質問内容を参考にさせていただき,全57問あるストレスチェックシートをGoogle Formを用いて作成し,大きく7つの項目に分類して項目ごとの質問が分かりやすいように作成した. 図14で項目とそれらを足し合わせた表を作成 図15で項目ごとでの点数割合をレーダーチャートで表示することをいう 3.3 マンマシンシステムとは,機械システムとそれを操作する人間とが有機的につなげられた1つのシステムのことを指す.マンマシンシステムは,航空機,自動車など身近なものが多く挙げられる.このような人間の操作により制御されるシステムは,いかに効率的かつ安全なマンマシン系を設計するかが重要となる. 図16の提案手法の紹介 4.1 ウェアラブル装置を装着した際にストレス負荷がかかってしまうことを軽減するためにArduino nanoとセンサを配線する時にブレッドボードを用いずユニバーサル基板を使用してウェアラブル装置のサイズをコンパクトなものにした.また,Raspberry Piとユニバーサル基板にはんだ付けしたArduinoとセンサでは装着することは難しいので,3Dプリンタによるケース作成を行い身体に装着しやすい形にした. 4.2 コーピング指示は,コーピングHTMLとイヤホン出力の2つから行う.コーピングHTMLは,クラウドサーバに送られてきたライフログデータ,音声テキストデータを参照し作成するものとする.また,ユーザが更新するのではなく自動的に更新されるようにした.そして,イヤホンからの音声出力はコーピング指示を簡易的に伝わりやすいものを作成した. 4.3 まずウェアラブル装置からサーバに音声テキストデータ,センサデータをサーバに送信する. サーバ上でライフログデータの作成,コーピングのHTML作成を行う. 出力されるコーピングHTMLは自動更新になっている. コーピングHTMLと同時に行動識別を考慮してイヤホンから音声出力もされている. 5.1 数値実験では,被験者を3人としストレス測定を行う.短期ストレス測定は小型ウェアラブル装置での行動識別を含んだストレス測定,中長期ストレス測定ではストレスチェックシートを用いたストレス測定を行う.そして,短期ストレスはコーピング指示の出た回数,中長期ストレスはストレスチェックシートの合計点数でストレス負荷の評価を行う.それぞれをストレスの高い順に順位付けをし比較する. 図は全部説明 5.2 数値実験での被験者3人をそれぞれA,B,Cとして短期ストレスと中長期ストレスの結果をそれぞれ比較したところ,以下のような結果が得られた.ストレス負荷の順位としては,短期ストレス,中長期ストレスのどちらともA,B,Cの順番でストレス負荷が高いという結果になった(図を交えながら). 6 小型ウェアラブル装置を作成してストレス測定を行い,コーピング指示を行うことによりストレス値を減少させるシステムを開発した コーピング指示を視覚と聴覚の2点から行い,コーピング伝達の正確性,コーピング指示の見逃し防止をすることができた. 高速フーリエ変換と連続ウェーブレット変換でのストレス値の比較を行い,高速フーリエ変換よりも連続ウェーブレット変換の方がストレス値に高低差を出すことができた. 課題 数値実験の被験者が今回は3人だったためもう少し人数を増やしたうえでの短期ストレスと中長期ストレスを比較すること 3Dプリンタなどを用いればよりコンパクトなサイズにすることは可能だと思うので小型ウェアラブルセンサの装着の仕方の追求 今回は自身の音声でコーピング音声出力を行ったため音声出力コーピングの複数人の声での検証が必要