川口?
これから「レジリエンスな生産計画のためのリスク評価指標AVaRのShapley値による最適化」と題しまして,レネ研究室,川口晏璃が発表します.
はじめに,本研究の背景を説明します.近年では,市場ニーズの多様化・個性化により
たくさんの種類の製品やそのバリエーションが増え,顧客が製品仕様をカスタマイズできるようになっています.
これにより,納入リードタイムは短くなり製品ごとの受注量の変動が大きく,需要の不確実性が増大しています.
このことが,サプライチェーン全体の発注を難しくしています.
ここで本研究の目的として,環境の変化や不確実性にレジリエンスに対応できるリスク評価指標Average Value at Riskとゲーム理論のShapley値を融合させた生産計画手法を提案します.
製造業におけるレジリエンスとは,例えばコロナ禍におけるサプライチェーンの寸断に対する回復力や半導体不足による適応できる能力といえます.
日本の製造業界では生産内示が伝統的なやり方であり,生産内示は内示情報を仲立ちとした企業間連携です.
企業間連携はサプライチェーンと呼ばれ,調達,製造,販売,消費などの一連の作業の流れのことをいいます..
内示情報とは発注者が仕入れ先へ提示する事前注文予測量のことです.内示情報は確定注文ではないので,不確実性をもっています.
その内示情報に含まれる不確実性から生じる在庫品切れをリスクとして考えていきます.
生産管理においては,レジリエンスを備えつつ,在庫切れはできるだけなくし,また在庫をできるだけ持たない生産計画が求められます.
従来では適正在庫を決定する要素の一つとして,安全在庫を考えます.
安全在庫は欠品を防ぐために必要な在庫量のことで,余剰在庫による無駄や販売機会の損失を防ぐこと,キャッシュフローを改善できるメリットがあります.
安全在庫量の計算は図1の式で求められます.
生産計画で,期間の各期において少なくとも一度在庫切れが生じる確率を未達率と定義します.
未達率が与えられたとき,従来ではリスクを等確率で各期に割り振られていました.
本研究の在庫切れのリスクは,未達率という確率で見積もるのではなく,Average Value at Riskで見積もることを提案します.
まず,図1の正規分布で説明すると,VaRはこの正規分布の赤色のところを見てもらうと,在庫が0以下になる確率で,AVaRは赤色の部分の平均以下になる確率,すなわち超過損失の平均で表されます.
正規分布の裾が厚い場合,超過損失が大きくなりやすく,超過損失の程度をVaRでは把握することはできないですが,AVaRは把握することができます.
本研究で用いるShapley値とは,内示情報に応じてリスクを振り分けます.
Shapley値を求めるには特性関数を導出する必要があり,特性関数は図4のように計算できます.
(図5見せながら)
提案手法は5期間の生産計画をたてるときに内示情報と有意水準αを与えてShapley値を最適解としてAVaRを満足する制約のもとで生産量を決定することです.
ここで,数値実験の動画をお見せします.
(動画流す)
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