Eラーニングと自発的能動学習の涵養 2020年からの新型コロナウイルス感染症の影響により,義務教育においても対面での授業を控え,オンライン講義で対応してきている.その際にeラーニングという言葉が使われるようになっている.eラーニングは1950年に登場したComputer Aided Instructionから発展してきたものである.コンピュータを利用して各生徒の理解度に応じた学習の内容を状況に合わせて提示するシステムであり,米国を中心に世界各国で研究,開発が盛んに行われていた.1995年,Windows95が発売され,一般家庭にもパソコンが普及するようになり,CD-ROMを中心とした学習Computer Based Trainingが作られた.2000年ごろには政府がe-Japan構想を打ち出したことで紙などの旧メディアを電子化していくことに注目が集まり,eラーニングという言葉が日本国内で登場した.インターネットのブロードバンド化によって,従来とは比べものにならない高速・大容量通信のインターネット通信ができるようになった.インターネットなどの Web を利用した学習をWeb Based Trainingと呼び,学習履歴はもちろん,教材やプログラムまでもサーバ上で一括管理ができるようになった.CD-ROMでは教材改定やプログラム改定が困難だったが,教材・プログラムがWeb上に保存されているため,提供者は受講管理や教材の更新,プログラムのメンテナンスをスピーディに行えるようになり,受講者は場所と時間を選ばず最新の環境・教材で学習できるようになった.そして,スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の登場とともにeラーニングという言葉がより一層の普及を見せるようになる.どこにいても情報にアクセスできるようになったことが,休憩時間や移動時間などの隙間時間を生かして,eラーニングの元来の特徴であるいつでも・どこでも学習をさらに後押しするものとなった.また,直感的な操作性や起動時間の短さ,持ち運びの容易さなどから,学校や塾,企業研修の現場といった幅広い分野での活用が進み,さまざまな利用法や成果が報告されている.現在,新型コロナウイルスの流行によって,より一層eラーニングが活用されている[1],[2].
義務教育の場においてもe-ラーニングは活用されており,2019年には児童生徒向けに端末が配布され,通信ネットワークを学校に配備し,個別最適化された教育を全国の学校現場で実現させることを目標としたGIGAスクール構想が発表された.現実空間と仮想空間が一体となったSociety5.0時代を生きていく子共達にとって,教育におけるICTを基盤とした先端技術の活用は必須だといえる.変化の激しい現代においては,多様な子供達を誰一人取り残さず,個別に創造性を育む教育の実現が重要であり,ICT教育に携わる次世代の人材を育てる必要がある[3].2021年には全国の公立小学校の84.2%,中学校の91.0%,全学年で端末の利活用を開始しており,全国の自治体の中でも96.1%が端末を整備していることが分かった[4].上記の調査から,GIGAスクール構想の1人1台の端末の普及は進んでおり,多くの子供たちがe-ラーニングを受講できる環境にあることが分かる. によると,小学校では58.7%,中学校では44%が 「新課程で指導すべき学習内容が多くて授業で教えきれない」と回答しており[7], 次に、日本では階層と通塾と家での学習時間が、いずれも相互に正の相関を持つ.これは仮説2の前提となる。上海では同様の傾向が見られるが、母親学 歴と通塾の関連を除けば、総じて日本より相関係数が小さい。香港では、家庭 の所得と通塾のみで有意な関連が見られる。 最後に、日本では通塾と学習に対する態度と家での学習時間が、いずれも相 互に正の相関を持つ。これは仮説3の前提となる。上海、香港ともに、学習に 対する態度は、家での学習時間と有意な相関を持つものの、親の学歴、所得、 教育投資、いずれとも有意な関連が見られない。子どもの学習に対する態度が、[8]